夏の日差しの下を駆け出した。喉が焼け付くように痛い。 それでも足は止めずに、光を反射するコンクリートを蹴って先へ先へと進む。 猛暑と云われる今日日の熱は胸の奥へと吸い込まれて、活力と変わってゆく。 過ぎた日が両脇から僕を見守っている。走って、走って、走り続けたその時、空を見つけた。 一際力を込め地を蹴る。 渇いてゆく夏がひとつ光って、さよならと揺れた。